ロールキャベツはトマト味

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パン作り1年生

今まで単機能のレンジ、要は温め機能しかついていない電子レンジを使っていたのだが、思い切ってオーブンレンジを買ってみた。理由は簡単。

「私もケーキとかパンとか焼きたい。」

である。いや、もうね。この1年と数ヶ月に外出の自粛やらなんやらで、家でケーキとかパンとか焼く人が増えたのなんの。なんなら、自家酵母まで作ってる猛者もいた。その様子を眺めていて、自分もやりたくなって、あれやこれやと工夫してみたものの、できるものは電子レンジとトースターを使ったもののみ。レパートリーは早々に底をつき、私の好奇心と食欲は、ジワジワと心を侵食していった。私も生地とか捏ねたい。私もチョコケーキとか焼きたい。うぅ。

そんなこんなで迎えたオーブンレンジ。あれやこれやと悩んだ結果、1番火力があるタイプのものにした。お料理メニューが沢山ある家電って、それこそ炊飯器からオーブンレンジまでありとあらゆるものが「私にお任せください!」とレシピブック付きで販売されているが、ワタクシ、それらの機能を使いません。いいなーとは思うけれど、結局いつものフライパンやら鍋やらで作ってしまう。そして大体の賢い電化製品はですね、非常にお高い。よって、単純に火力があるタイプ。君に決めた。よろしく頼むよとキッチンの棚に置いた。ドシンとした重みのある見た目で頼れそうだ。さぁ、パンを焼くぞ。

そして始まったパン作り生活。これがまた非常に難しく、それが楽しい。ベッチャリとしてボウルにへばりつくパン生地を台に出して、せっせと捏ねると次第にまとまってきて、ツルンとした生地になる。なにこれ可愛い。発酵している姿も可愛らしく、時間が経って膨らんだ生地を見ると、「偉いねえ。大きくなったねぇ。」と心にパン生地の祖母が登場して褒めてしまう。焼いている時も、グングンと大きく膨らむ生地を見て「いいぞ。頑張れ!」と思うし、出来上がったパンをクーラー(網のようなものです)に乗せて耳を近づけるとパリッパリッ…っと小さな音がする。生地が弾ける音だ。とても嬉しい。食べてみる。美味しい。嬉しい。

さて、パン作り1年生のまだまだヒヨッコである私だが目標がある。それは「綺麗なフランスパンを焼くこと」。これがまた難しい!本当に難しい。どれくらい難しいかというと、パン作りの本を読むと大体最後の「慣れてきた人向け」や「上級者向け」のコーナーにオホホと優雅な様子で豪華な椅子に扇子を広げつつ座っているマダム。それがフランスパンです。さすがおフランス。「パンが上手く焼けなければ、ケーキを焼けばいいじゃない」と心の偽マリー・アントワネットがヒソヒソと耳元で囁いてくるが、私は綺麗なフランスパンを焼きたいのだと準強力粉を持って逃げるしかないのである。何が言いたいんだこの文章。

いつか焼けるようになりたい綺麗なフランスパン。でもその時が来たら来たで寂しいのかもしれない。