ロールキャベツはトマト味

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食パンな肉まん

旅先の忘れられない味といえば、台湾で食べた肉まんが真っ先に脳内に浮かぶ。あれは転職先がようやく決まってすぐ行くことにした旅行だった。そして「台湾行きたい!来週!誰か一緒に行こ!」とツイッターに書き込んだら「行きまーす!」と手を挙げてもらったフォロワーと行くことになった旅行でもあった。フットワークの軽さよ。

ひたすら食べ歩きをしようということで旅行の打ち合わせ時にガイドブックを片手にGoogleMapを立ち上げて、「ここのお店行きたい!」と思った店にピンを刺していく作業は楽しかったな。また同じような体験が出来るのはいつになるだろうか。

さて、肉まんの話である。昼食を求めてふらふらと歩いていたら道端に人が並んでいるのを発見した。その行列の周りを見渡しても店らしきものはない。一体何だ?そう思いながら、その横を通り過ぎようとした。

「肉まん、みたいですね。」

そう隣にいた友人(フォロワー)に言われた。

肉まん、とな。美味しそうだけども。

「ちょっと待ったら蒸したてが買えるみたいなので私が並んでてもいいですか?」

どうやら友人の美味しいものレーダーが「これは絶対美味しいはず!」と反応しているようである。ならば止める理由はあるまいと、友人と一時的に解散することにした。ブラブラと散歩すること15分ほどだろうか。異国の地は歩いているだけでとても楽しい。元いた場所に戻ると、ニコニコと嬉しそうな表情をした友人が待っていた。手には大きな肉まん。嬉しそうな人を見るのは私も嬉しい。どうぞどうぞと食べるのを眺める。

「美味しい!」

友人のレーダーは、どうやらかなり優秀なようである。うわー!美味しそう!!と見ていたら「どうぞ〜。」と半分分けてもらった。優しい。

生地がフッカフカで持っただけで指で潰してしまいそうなくらい柔らかい。肉まんの生地の優しい温もりを感じながら、中の餡の香りを嗅ぐと胡椒なのか八角なのか、ほんのりスパイシーな香りがジューシーな肉の香りと共に鼻に入ってきた。ほわー。これは美味しそう。たまらず、かぶりつくと、よく練られた餡の歯応えと生地のフッカフカが合わさって最高に美味しかった。今まで日本でも肉まんをよく食べてきた方だとは思うが、ここまで美味しい肉まんは食べたことがない。生地が、生地がとにかくフカフカで焼きたての食パンを4枚切りとかにしてそのままフワッと包んだかのようなフカフカフワフワ感。あぁ、また食べたい。

勿体なかったので、少しだけ残して鞄に忍ばせておいたのを食べてみた。冷めてもあの生地のフワフワ感は失われておらず、蒸したてとはまた違った美味しさがあった。あぁ、また台湾に行きたい。

美味しい記憶と美味しい場所には、どこか魔法がかかっている気がする。