ロールキャベツはトマト味

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バナナと元気

数年前に「日本人が1番食べている果物はバナナである」と知って大変驚いた。そして、1人あたり1年間で約20kg以上のバナナを食べていることも知って、更に驚いた。え?みかんじゃないの?

少しだけ寂しさをみかんに覚えつつ、引き続きバナナについて考えてみることにする。バナナ。美味しいですよねバナナ。カリウムと食物繊維が豊富で、そのまま皮を剥いてパクッと食べてもよし、ジュースにしてもよし、焼き菓子の生地に混ぜ込んでもよし、あの特徴的なネッチリとした食感と芳醇な香りは他の果物にはないという際立った存在なのに他の食べ物と相性がいいという懐が深さ、比較的お財布にも優しいお値段。そして何より、手で皮を剥けるというその手軽さ。

「大丈夫です。いつでも食べてください。自分、包丁とかまな板とかいらないんで。」

バナナの鮮やかな黄色と、滑らかなカーブをしたあの姿がそう語りかけている気がしてならない。手で剥けるのはみかんも同じではあるが、冬の味覚であり、春夏秋冬問わず「いつでもスーパーにいまーす!」とズラリと並べられたバナナには敵わないのだ。バナナ最強説である。

かの有名なヨハン・ゼバスティアン・バッハは、その功績から「音楽の父」と呼ばれていたが、バナナも「果物の父」と呼ばれてもいいのではないか。そこまで考えたが、いやいやそれは言い過ぎではないか。そんな葛藤を脳内で繰り広げた後、「なんだこの無駄な時間は」と目が覚めるまで5分ほどかかったことをここに書いておく。嗚呼、人生とは無駄の積み重ねである。

そういえば、バナナは老若男女問わず好かれているイメージがある。もちろん、私も幼い頃からバナナを食して生きてきた。なんなら母に「バナナは1日に2本までだからね。4本も5本も食べないこと。」とたしなめられたくらいバナナを食べていた。嬉しかったとき、悲しかったとき、部活を終えて小腹が空いたとき、夜中になんとなく口が寂しくなったとき、給食のデザート、夜店のチョコバナナ、クレープ屋のトッピング、どうしても行きたかったミュージカルに行けなくなったとき、そんなときにバナナはいた。いつでもいた。それがバナナである。

私は、風邪の時や気分が落ち込んだ時でも、バナナなら食べられるので、常備するようにしている。今こうして文章をポチポチと書いている間も、キッチンの片隅にバナナはいる。いつも変わらない味と姿をしているバナナに安心感を覚える。

バナナを齧ってみる。少しだけ、元気が出る。