ロールキャベツはトマト味

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炭酸飲料が飲めない問題

私がまだ幼い頃、恐らく5歳かそこらの歳だったと思うが、父がコーラを缶から飲んでいるのを見て「私も飲みたい」とせがんだことがある。父は特に嫌がりもせず私に缶を渡した。「お父さんが美味しそうに飲んでいるコーラだ!」とウキウキしながら缶を口へと運んだ。

「なにこれ口が痛い!」
そう言いながら缶を突き返すと、父が笑いながら
「そうかぁ、まだ早かったかぁ。」
と頷いていた。それから
「もう少し大人になったら飲めるよ。」と言ってくれた。「そうか、大人になれば飲めるのか。」なら待とうじゃないか。私だっていつかコーラを喉を鳴らしてゴクゴク飲んでやる。

それから22年が経った。
炭酸、飲めない。全然飲めない。成人したのはとうに過去の出来事だというのにまだ飲めない。年齢も見た目もすっかり大人になったというのに全く飲めない。悲しすぎる。幼い頃の私の夢だった「ビールと餃子」、「コーラとポップコーン」、「ハイボールと唐揚げ」の組み合わせは未だに私の叶わぬ夢である。何回挑戦しても、あのシュワシュワとした刺激が口から喉に広がるのを痛いと感じてしまう。痛いのでチビチビ舐めるように飲むしかない。爽快感なんて微塵も感じない。飲んだ後に鼻に抜ける独特のガスもどうにも苦手だ。

どうして私だけ美味しく炭酸を飲めないのだろう。
どうして他の人はあんなに炭酸を堪能しているのだろう。居酒屋で「はい、じゃあとりあえずビールの人は挙手して。」と言われて、1人だけ手を挙げれない虚しさと気恥ずかしさ。宴会で乾杯用にと小さめのグラスに注がれたビールを飲み干せないときの申し訳なさ。私は映画館でコーラとポップコーンを楽しめない。酎ハイも、カルピスサワーも梅ソーダも飲めない。それどころか、クリームソーダも私は飲めないのだ。うわぁん。そう泣きつくと心優しい「炭酸飲める村」の村人たちは、 「コーラとかサイダーは炭酸がキツいから、カルピスソーダとかの弱いやつを飲めばいいよ。」と助言を私に授けてくれる。炭酸が飲めない大人なんておるのか。そんなはずはあるまいと、数々の炭酸飲料を教えてくれる。ファンタグレープ、ペプシコーラ三ツ矢サイダーストロングゼロアサヒビールなどなど…いや、だから、飲めないんだってば!!!!!
あぁ、いつか飲めるようになりたい炭酸系飲料。今度人間に生まれ変わったらオプションとして「炭酸系飲料が飲める」を絶対に、絶対につけておいてほしい。