君のハンドパワー

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謎の腹痛になり、リビングで横になっていたのだが、夫が心配そうに側に座りこんだので「私の腹部に手を当てておくれ」と彼に頼んでみた。

「俺の右手を拘束するつもりだ…。」

そう言って軽く怯えるふりをしつつ、手を差し出してくれたので遠慮なくお腹の上あたりにのせる。じんわりと手の温もりを感じる。愛だなぁと思う。ついでなのでそのまま言ってみることにした。

「愛だねぇ。」

「愛ですか。」

「そうだよ。愛だよ。」

「…泣けてくるねぇ。」

「これくらいで?」

これくらいなものか。絶大な愛じゃないか。心配してくれて手を当ててくれることがどれほど嬉しいことか。「好きそうだから」と私の好きなお菓子を買って帰ってきてくれること。仕事の愚痴をずっと聞いていてくれること。私がお返しにと夫の好きなお菓子(彼はどら焼きが好きである。きっと彼の構成成分の数%はドラえもんに違いない)を渡せば何回も「ありがとう」と言いながら美味しそうに食べること。私が絶対面白くないであろう変なダンスを披露したり、目の前で反復横跳びをしても爆笑しながら「貴方がいると楽しいね」と言ってくれること。

私にとっては毎日の全てが絶大な愛だ。

私にとってそうであるように、夫にとってもそうであってほしいと思う。寝る前に「夫に少しでもいいことがありますように。なるべく必要のない苦労はしませんように。笑顔になる出来事が1回でも多くありますように。」と祈ってから眠ることがある。明日もいい日でありますように。

 

KiE