さよならストッキング

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職業柄、毎日ストッキングとスカートを着用することが多い。もちろん、パンツスタイルの同性の同僚もいるが、いわゆるオフィスカジュアルが求められる職場である。ジーパンTシャツNGでサンダルやフード付きの上着も確かNGだったが特にガイドラインというものはなく、あくまで「職場の風紀を乱さない適切な服装」のような一文でまとめられている。私は身長が高く、新卒のときに入った会社で「あなたは怖いから可愛らしくしていつでもニコニコしろ」と上司から言われたことがほぼトラウマになっており、なるべく人から恐れられないように、怖がられないように、威圧感を与えないようにと黒のシンプルなペタンコ靴を履き、くるぶしにかかるくらいまで丈がある長めのスカートを着用して働いていることが多いのだ。

そして、毎日ストッキングも履く、何の意味があるのかとイライラしながら。第一にストッキングは消耗品のくせに高い。高いのに耐久性が皆無なのもよくない。何かにひっかかったが最後、無惨に穴やら電線やらを残してすぐボロボロになってしまう。ストックをいくら買ってもキリがない。ちまちま買うのもやってられんと、見えない位置の穴や電線はそのままにして着用することもままある。そして夏は暑い。トイレで用を足すときには面倒くさい。

とある最近の暑い夏の日、朝にストッキングを履いたら思いっきり破けた。ストックを探したらない。なんてこったい。そういえば、と靴下タイプのストッキングを手に入れていたことを思い出し、これ幸いと履いてみた。ロングスカートだから問題なかろう。出勤。

めちゃくちゃ快適だった。なんじゃこれ。最高じゃん。調べてみると股周りだけ穴が空いたストッキングも販売されているらしい。しかも快適だそうな。そこまでしてストッキングを履かなければならない職業やマナーって一体なんだろうか。

別の日、とうとう靴下タイプのストッキングまで切らしてしまった(私はそういう人間である)。もういいかと、パンプスに合わせるようなショートタイプの靴下を履いて出勤した。ロングスカートだから問題なかろう。注意されたら考えよう。

結果、何の問題もなかった。快適な1日を終えた。マナーってほんとうに謎ルールだな。

 

やっぱり靴下よ。

 

KiE